2025年12月4日 【Android – メモリ管理②】GCの仕組みについて Android 検索する Popular tags 事例紹介 GEN-STEP 生成AI(Generative AI) Vertex AI Search Looker Studio BigQuery AlloyDB Google Workspace Cloud SQL Category モバイル Author はる SHARE 目次 GC Rootsについて 到達可能性(Reachability)について 参照の種類について まとめ Content こんにちは、はるです! 今回はAndroidにおける基礎の一種であるメモリ管理についてお話ししていこうと思います。 本記事を読む前に必ずパート1を読むことを推奨します〜! ⭐️ この記事で理解できること ・GC Rootsについて ・到達可能性について ・参照の種類について GC Rootsについて ⭐️ 概要 先に用語を定義します。 ・オブジェクトグラフ → 上記画像の全体のグラフを指します(オブジェクト間の参照関係を示す) ・GC Roots → オブジェクトグラフの赤いノード(全ての参照の親) まず、オブジェクト間の参照関係は上記画像のように有向グラフで表現されます。 ⭐️ なぜ有向グラフ? それはノードが複数の親から参照される場合を表現するためです。 GC Rootsでは親子関係を下記のように定義しています。 親:任意のオブジェクトへの参照を持つオブジェクト 子:親から参照されているオブジェクト 例えば、下記のようなコードを考えてみましょう。 val child = MyObject() val parent1 = mutableListOf(child) val parent2 = mutableListOf(child) この時、childはparent1/parent2と二つの親から参照されています。 これをグラフとして表現するために有向グラフが用いられています。 ⭐️ GC Rootsとは? GC Rootsとは、ランタイムがプログラム実行のために管理している、特別な参照の集合です。 具体的には以下のような参照がGC Rootsになります: ・スタック上のローカル変数: 実行中のメソッドで使用している参照 ・静的変数(static変数): プログラム全体で共有される参照 ・JNI参照: ネイティブコードから参照されているオブジェクト ・アクティブなスレッド: 実行中のスレッドオブジェクト これらはプログラムが動作するために必須の参照であり、ガベージコレクタはこれらを起点として「どのオブジェクトがまだ必要か」を判定します。 つまり: 主目的: プログラム実行のための参照管理 副次的用途: GCの生存判定の起点 ということです。 ⭐️ オブジェクトグラフとは? オブジェクトグラフとは、プログラム実行中のオブジェクト間の参照関係全体を表す有向グラフです。 ⭐️ オブジェクトグラフとGC Rootsの関係 オブジェクトグラフは1つですが、GC Rootsは複数の起点を持ちます。 ガベージコレクタは、これらのすべての起点から辿って到達可能なオブジェクトを「生存中」と判定します。 到達可能性(Reachability)について ⭐️ 到達可能性とは GC Rootsを起点として、参照を辿ってそのオブジェクトに到達できるかどうかを表します。 ・到達可能: GC Rootsから参照を辿って到達できる → 生存 ・到達不可能: GC Rootsからどう辿っても到達できない → 回収対象 ⭐️ 走査アルゴリズム これは非常にシンプルでBFS/DFSです。 AndroidだとDFSらしいです。(確証はありません) ただ、ここは本質ではないです。 各ノードが到達可能かどうかを調べることが目的でありBFS/DFSのパフォーマンス(空間計算量及び時間計算量)は然程変わりませんからね。 ⭐️ 到達可能性を判断するアルゴリズム Mark & Sweepアルゴリズムが使われています。 名前の通り、MarkというフェーズとSweepというフェーズで分かれています。 == Mark処理 == GC Rootから各ノードを走査していき、到達したノードに対して各ノードが持つmarkbitというのを1にします。 このmarkbitというのが到達可能性を示すものです。 markbit=1 → 到達可能 = 別のオブジェクトから参照されている markbit=0 → 到達不能 = 誰からも参照されていない 到達可能ノードをマーキングするという名前通りの挙動です。 == Sweep処理 == 英語の意味通り、掃き集めるみたいな意味です。 ここでは2つの処理をしています。 1.不要ノードの回収(GC) オブジェクトグラフ内におけるmarkbitが0のものを回収します。 厳密にはGCはヒープ内で実行されるので少し違いますが省略します。 2.markbitのリセット 全ノードのmarkbitをリセットします。 こうすることで、次回のGCが走った時に新たに到達不能ノードになったノードを把握することができます。 参照の種類について 参照と一括りにしても大きく4種類に分かれます。 ⭐️ 強参照 val obj = MyObject() 普段使っているものですね。 特徴は ・GC Rootsから到達可能な限り絶対に回収されない ・明示的にnullにしないと残る ⭐️ 弱参照 val weakRef = WeakReference(MyObject()) val obj = weakRef.get() // 次のGC後はnull 特徴は ・強参照と合わせて使われたりすることが多い ・次のGCで確定で回収される つまり、弱参照だけでは即座に回収されるので使い物にならないです。 ですから、強参照されているオブジェクトに対して弱参照をかけることで「強参照が消えたら連動して消える」を再現できます。 そのため、わざわざnullを明示的にセットしなくていいのです。 ⭐️ ソフト参照 val softRef = SoftReference(MyObject()) val obj = softRef.get() // null の可能性あり 特徴は ・メモリが逼迫すると回収される ・キャッシュなど一時的なものに有効 ⭐️ ファントム参照 これはほとんど使わないので省略 まとめ 本記事では以下を理解しました: ⭐️ GC Rootsについて ・オブジェクト間の参照関係はオブジェクトグラフ(有向グラフ)で表現される ・GC Rootsはプログラム実行に必須の参照(Stack上の変数、Method Areaのstatic変数など) ・Heapはオブジェクトの置き場であり、GC Rootsにはならない ⭐️ 到達可能性について ・GC Rootsからオブジェクトに到達できるかで生存を判定 ・Mark & Sweepアルゴリズムで到達可能性を判定し、不要なオブジェクトを回収 ・到達可能 = 回収しない、到達不可能 = 回収する ⭐️ 参照の種類について ・Strong Reference(強参照): 通常の参照、明示的にnullにしない限り回収されない ・Weak Reference(弱参照): 強参照が消えると次のGCで回収される ・Soft Reference(ソフト参照): メモリ逼迫時に回収される ・Phantom Reference(ファントム参照): 特殊用途 以上をここで知ってもらえればと思います!! 次回(Part3)では、ARTとGCの関連性について詳しく解説します。 具体的にはAndroidのメモリ管理の実装詳細や、実践的なメモリリーク対策などを扱います。 関連コンテンツ 【Android – メモリ管理①】メモリ管理の全体像を理解する by はるon 2025年12月3日 SwiftUI + Firebase使用時プレビューが使えないことがある現象について by はるon 2025年6月9日 SwiftUI: TextのMarkdown記法を利用した部分リンク実装方法(iOS 14+) by はるon 2025年5月21日 若手モバイルエンジニアが設計をする際によく考えてることを書いてみた! by はるon 2025年6月17日 頂きましたご意見につきましては、今後のより良い商品開発・サービス改善に活かしていきたいと考えております。 よくわかった まぁまぁわかった どちらでもない あまりわからなかった 全くわからなかった Author はる 入社日:2023年12月 職種:Androidネイティブアプリエンジニア チェスが趣味 Android 2025年12月4日 【Android – メモリ管理②】GCの仕組みについて Category モバイル 前の記事を読む 【Android – メモリ管理①】メモリ管理の全体像を理解する 次の記事を読む Jetpack Composeを使ってみた Recommendation オススメ記事 2023年9月5日 Google Cloud 【Google Cloud】Looker Studio × Looker Studio Pro × Looker を徹底比較!機能・選び方を解説 2023年8月24日 Google Cloud 【Google Cloud】Migrate for Anthos and GKEでVMを移行してみた(1:概要編) 2022年10月10日 Google Cloud 【Google Cloud】AlloyDB と Cloud SQL を徹底比較してみた!!(第1回:AlloyDB の概要、性能検証編) BigQuery ML ワークショップ開催のお知らせ 生成AI導入支援パッケージ Discovery AI導入支援パッケージ Google Cloud ホワイトペーパー 新着記事 2026年5月19日 モバイル OCRの限界をUXで補完する:ML Kitで構築する家計簿アプリ 2026年5月11日 Google Cloud BigQueryの役割はどう変わるのか-Google Cloud Next’26で感じた「AIエージェント時代のデータ基盤」 2026年5月11日 イベント・セミナー 【2026/5/28開催】EC運営を効率化! 生成AIでコンテンツ制作業務を加速させる改善術 HOME モバイル 【Android – メモリ管理②】GCの仕組みについて