2024年2月9日

Google Cloudで生成AIチャットボットを作ってみよう!


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tenです。
前回、生成AIでチャットボットがどのように進化していくのかをご紹介いたしました。
 

この記事では、実際にGoogle Cloudのサービスで生成AIチャットボットを作ってみて、体感してみましょう。

概要

生成AIを使ったチャットボットは、Vertex AI Conversationというサービスを使うことで、非常にカンタンに作成できます。
Vertex AI Conversationは、Dialogflowというサービスのデータストアエージェントとして構成されます。

なお、Dialogflowとはチャットボットをローコードで構築できるサービスです。
従来はルールベースでチャットボットの振る舞いを定義していましたが、生成AIが組み込まれることで、非常に強力なサービスに生まれ変わりつつあります。
(2024年1月現在、生成AIハンドブックなどのさまざまな機能がプレビューとして公開されています。今後ますます便利になっていくでしょう!)

 

<Vertex AI Conversationの構成イメージ>

データストアの準備

まず最初に、生成AIの回答に利用するためのデータを準備します。
今回は法令を基に回答を生成するチャットボットを作ってみます。
法令は以下のサイトからPDFでダウンロードできます。

https://elaws.e-gov.go.jp/

今回は以下のPDFを用意しました。

<日本国憲法>

<運河法>

では、PDFの格納先として、Cloud Storageバケットを作成していきます。
ナビゲーションメニューから「Cloud Storage」→「バケット」を選択します。
「作成」をクリックし、任意の名前のバケットを作成します。

その他の設定はデフォルトで進めていきます。

バケットが作成されましたら、PDFをアップロードします。
「ファイルをアップロード」ボタンか、ドラッグ&ドロップでもアップロードできます。

Vertex AI Conversationの設定

次に、Vertex AI Conversationで必要となるAPIを有効にします。
必要なAPIは「Discovery Engine API」と「Dialogflow API」の2つです。

ナビゲーションメニューの「検索と会話」をクリックし、Vertex AI Conversationの画面を開きます。

「CONTINUE AND ACTIVATE THE API」というボタンがありますので、こちらをクリックすると、Discovery Engine APIが有効化されます。

Discovery Engine APIが有効になると、「検索と会話」のサービスページが開きます。
「アプリの種類の選択」という表示が出てきますので、「チャット」を選択します。

「APIを有効にする」ボタンが表示されていますので、クリックしてDialogflow APIを有効化します。

エージェントを構成していきましょう。
会社名、エージェント名は任意のもので構いません。

「タイムゾーンと言語を表示」をクリックして、「デフォルトの言語」を日本語に設定しておきます。
(2024年1月現在、日本語はプレビューです。)

「続行」をクリックすると、データストアを指定する画面に遷移します。
「新しいデータストアを作成」から、「Cloud Storage」を選択します。

参照をクリックすると、先ほど作成したバケットが見えているかと思いますので、そちらを選択します。
データの種類はPDFですので、「非構造化ドキュメント」を選択して「続行」をクリックします。

任意のデータストア名を入力し「作成」をクリックすると、データストアの選択画面に戻ります。
作成したデータストアのラジオボタンを選択し、「作成」をクリックします。

これでDialogflowに組み込むためのエージェントが作成されました。

なお、データストアに指定したファイルをインデックスに登録する作業が行われますので、完了を待ちます。
今回は200KB~400KBのPDFファイルが3つで、約9分かかりました。

チャットボットのテスト

チャットボットを利用する準備が整いました。
左側にあるメニュー内の「プレビュー」を選択して、Dialogflowの画面を開きます。

今回は、簡易的にチャットボットの動作を確認するため、画面右側にある「Test Agent」からチャットボットと会話してみましょう。

シミュレータが開きますので、下部のテキストボックスから質問を投げかけてみます。

良い感じに要約してくれています。
次は「運河法」という法律について質問してみます。

こちらは大正二年に採決された、少し古い法律のようで、以下のようなカタカナ混じりの条文です。

第一条 一般運送ノ用ニ供スル目的ヲ以テ運河ヲ開設セムトスル者ハ国土交通大臣ノ免許ヲ受クヘシ

では、チャットボットに聞いてみましょう。

元々の文章が古い言葉表現やカタカナ混じりでも、読みやすく返してくれてます。
素晴らしいですね。

ただし、失敗例もありました。
下記は、カタカナ混じりのまま出力されており、第二条の条文も引用してしまっています。

さいごに

Vertex AI Conversationsを利用することで非常にカンタンに生成AIチャットボットを構築できました。
一方で、望んだ回答が得られない場合もあり、うまく運用していくにはパラメータの調整などが必要になりそうです。

生成AIチャットボットは、多くのビジネスの中で、非常に強力なツールとなる可能性があります。
ぜひ皆様も社内の業務効率化や顧客サポートの改善に、生成AIチャットボットを役立ててください。

なお、システムサポートでは、企業向けに生成AIチャットボットの導入支援サービスを提供しております。
生成AIチャットボットを活用した業務改善やユーザー体験向上にご興味のある方はお気軽にご相談ください!

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2024年2月9日 Google Cloudで生成AIチャットボットを作ってみよう!

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