2025年1月15日

【Google Cloud】M2VMでHyper-V、KVMもお引越し


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こんにちは。りなぺんです。

前回ご紹介した Migrate to Virtual Machines (以下、M2VM と記載します) ですが、Azure や AWS からの移行に加え、Hyper-V/KVM の移行もサポートされました。
※M2VM の詳細については、前回記事または公式ドキュメントをご確認ください。

実際どれほどスムーズに移行できるのか確認していきます。

今回のシステム構成と流れ

今回の構成と流れを記載します。



まず、オンプレミス環境に Hyper-V/KVM を用意し、それぞれのゲスト OS のイメージファイルを取得します。

次に、取得したイメージファイルを Google Cloud Storage へアップロードします。

その後、M2VM で Google Cloud Storage 上のファイルを指定し、イメージを作成します。

最後に、作成したイメージを使って VM を構築します。

この手順で移行が実現できます。では、詳細な手順についてみていきましょう。

移行手順 ~概要~

Hyper-V/KVM ともに移行する手順に差異はなく、必要な手順は以下の通りです。

◆オンプレミス環境

1.イメージファイルの取得

・Hyper-V の場合:VHDX ファイルを作成されたパスから取得
・KVM の場合:qcow2 ファイルを作成されたパスから取得

◆Google Cloud環境

0.権限確認(事前準備)
1.M2VM に必要な API の有効化
2.イメージファイルのアップロード
3.ターゲットの追加
4.サービスアカウントへのロール追加
5.イメージインポート
6.VM 構築

Google Cloud 側の手順については、次章で詳細に記述します。

移行手順 ~詳細~

0.権限確認

今回の操作に必要な権限を持つユーザーを用意します。

No. 事前定義ロール 使用する場面
1 Service Usage 管理者
( roles/serviceusage.serviceUsageAdmin )
API 有効化
2 プロジェクト IAM 管理者
( roles/resourcemanager.projectIamAdmin )
サービスアカウントの権限付与
3 ストレージ管理者
( roles/storage.admin )
GCS へのイメージファイルアップロード
4 VM移行管理者
( roles/vmmigration.admin )
M2VM の操作
5 Compute管理者
( roles/compute.admin )
VM 構築

1.M2VM に必要な API の有効化

Cloud Shell を開き、下記を実行します。

gcloud services enable vmmigration.googleapis.com servicemanagement.googleapis.com servicecontrol.googleapis.com iam.googleapis.com cloudresourcemanager.googleapis.com compute.googleapis.com

 

2.イメージファイルのアップロード

オンプレミス環境で取得したイメージファイルを、Google Cloud Storage にアップロードします。


 

3.ターゲットの追加

M2VM に移動します。
上タブ「ターゲット」より、移行対象の Google Cloud Project を追加します。


 

4.サービスアカウントへのロール追加

M2VM で使用されるサービスアカウントに対して以下ロールを付与します。

対象 service-<HOST_PROJECT_NUMBER>@gcp-sa-vmmigration.iam.gserviceaccount.com
権限 ・ストレージオブジェクト閲覧者 ( roles/storage.objectViewer )
・VM Migration サービスアカウント( roles/vmmigration.serviceAgent )
備考 Google 提供のロール付与を含めるを ON にすると表示される

5.イメージインポート

「イメージインポート」に移動し、「イメージの作成」をクリックします。


イメージの作成にて設定値を入力し、「作成」をクリックします。
※本記事では必須設定のみを記載します。詳細は公式ドキュメントをご参照ください。
イメージファイルの指定方法は、Hyper-V/KVM で変わらず、「ソース Cloud Storage ファイル」で指定します。

設定項目 設定値
Name 任意のイメージファイル
ソース Cloud Storage ファイル 「2」でアップロードしたファイル
リージョン 任意のリージョン
ターゲットプロジェクト 「3」で指定したプロジェクト



下記画面に遷移し、インポートが開始します。
※インポートには少々時間を要します。


ステータスが「完了」になると、イメージ作成完了です。


 

6.VM 構築

イメージから「インスタンスを作成」をクリックし、VM を立ち上げます。


 

特に問題なく立ち上がり、RDP/SSH 接続も問題なく実行できます。


但し、IP アドレスや MAC アドレスはオンプレミス環境の値を引継がないのでご注意ください。


まとめ

これまで Hyper-V や KVM での移行は、バックアップおよびリストアを繰り返す手法が主流でしたが、M2VM のサポートにより、より簡単かつ効率的な移行が可能となりました。
マネージドなツールを活用することで、手間を大幅に削減し、スムーズな移行を実現できます!

 

また、イメージインポート機能においても大きな利点があります。

たとえば AWS や Azure では「 qcow2 」形式の拡張子がサポートされていないため、別途拡張子変換が必要です。
しかし、M2VM を利用する場合、この変換が不要である点は、運用の手間を減らし、よりシンプルな移行を実現するポイントと言えるでしょう。

M2VM による移行作業の快適さに加え、さらなるハイパーバイザ対応の拡張にも期待しています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

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2025年1月15日 【Google Cloud】M2VMでHyper-V、KVMもお引越し

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