2026年9月7日

Looker の Agentic Workflows でデータ監視を自動化する


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Looker のダッシュボードで指標を可視化したのに、指標の変化に気づくのが遅れてしまったことはありませんか?たとえすぐに気づけたとしても、要因を特定するには、アナリストが一からデータを掘り下げる必要があります。

そんなときに役立つのが Looker の Agentic Workflows です。設定した閾値に基づいて指標を監視し、変化の要因まで分析してユーザーに通知します。

本記事では、2026 年 9 月 2 日時点での検証をもとに、Agentic Workflows の概要、ワークフローの作成方法、指標の変化に対する分析機能についてご紹介します。なお、Agentic Workflows は執筆時点でプレビュー機能のため、今後のアップデートで機能や操作方法が変更される可能性がある点にご留意ください。
 

Agentic Workflows とは

Agentic Workflows (エージェントワークフロー) は、Looker の会話分析などを通じて、自然言語で指標の監視を設定できる機能です。「返品率を監視するワークフローを作成して」と指示すると、エージェントが監視対象となる指標や条件などを確認し、ユーザーとのやり取りを経て設定を完了させます。設定完了後、エージェントは指標を監視し、条件を満たすとメールや Slack へ通知します。


 

さらに、Agentic Workflows には、Gemini が指標の変化の要因を分析する Key Driver Analysis (主要因分析) 機能が備わっています。機能を有効化することで、条件に応じたアラート通知だけでなく、Gemini による分析結果も同時に通知することができます。

機能の詳細は Use agentic workflows to monitor changes in your data | Looker | Google Cloud をご確認ください。

 

ダッシュボードからワークフローを作成する

今回は、Looker で作成した EC ダッシュボードから返品率を監視するワークフローを作成します。ダッシュボードには、注文月を「2026 / 8月」、配送センター名を「Los Angeles CA」に絞り込むフィルターを設定しています。データは BigQuery の公開データセット「theLook eCommerce」を使用します。


 

事前準備

ワークフローを作成する前に、次の準備が完了していることを確認します。

  • Looker 26.8 以上のインスタンス
  • Agentic Workflows の有効化:「管理者」>「プラットフォーム」>「Gemini in Looker」から有効化
  • Dashboard Agent (ダッシュボードエージェント) の有効化:「管理者」>「プラットフォーム」>「Gemini in Looker」から有効化

 

ダッシュボードエージェントで指標を確認する

まず、ダッシュボードの右上にある Gemini アイコンを押下し、ダッシュボードエージェントを開きます。監視の対象となる返品率について質問します。

週ごとの返品率を教えて

週ごとの返品率のデータが表示され、およそ 5% から 14% の幅で推移していることが分かりました。おおむね 10% 前後で動いているため、閾値は 10% に決定します。

 

ワークフローを作成する

続けて、エージェントにワークフローの作成を依頼します。

返品率を監視するためのワークフローを作成して


 

エージェントがワークフローの閾値と条件について回答を求めてきたので、具体的に指定します。

返品率が 10% を超えた場合、毎週木曜日の午前9時にメールで通知して

エージェントから設定内容が提示されました。Condition (条件) には、フィルター内容が引き継がれるため、指定した絞り込み条件を維持したまま監視を設定できます。

  • Metric (指標): 返品率
  • Condition (条件): 返品率が 10% を超えた場合 (フィルター: 配送センター名 が Los Angeles CA、注文月 が 2026-08)
  • Destination (通知先): Email (受信者のメールアドレス)
  • Frequency (頻度): 毎週木曜日の午前 9:00

Key driver analysis (主要因分析) は、デフォルトで無効になっていますが、後の手順で有効化するのでこのまま作成します。

 

ワークフローを編集する

Looker の画面右上にある、アカウントメニュー >「ワークフロー」からワークフローの管理画面を開きます。

まず、ワークフロー名のリンクを押下し、作成されたワークフローを確認します。データのメニュー >「ここから探索」を押下すると、Explore に遷移しデータを探索できます。


 

次に、作成したワークフローの主要因分析機能を有効化するため、ワークフローの「ワークフローを編集」ボタンを押下し、「Gemini を活用した主要因分析」を有効にしてアラートを保存します。

ワークフローの管理

作成したワークフローは、アカウントメニュー >「ワークフロー」から確認します。ワークフローのメニューからは次の操作が可能です。

  • ワークフローを表示
  • ワークフローを編集
  • ワークフローを有効化
  • ワークフローを無効化

なお、ワークフローは削除できないため、不要になった場合は「ワークフローを無効化」から停止します。

 

通知を確認する

通知の内容を確認します。ワークフローの管理画面でワークフロー名のリンクを押下し、ダイアログにある「今すぐテスト」を押下します。実際に届いたメールを見てみましょう。


 

メールの件名は「返品率の監視(10%超過)」でした。本文の冒頭には「A workflow you follow has been triggered. order_items.return_rate reached 0.1360544217687075.」と表示され、返品率が約 13.6% に達したことが分かります。

そして、主要因分析機能を有効化したので「Gemini powered key driver analysis」(Gemini を活用した主要因分析) として、Gemini による分析結果が英語で記載されていました。

  • 中国の顧客の返品が、前月同週比で 18 倍に急増
  • レディース部門の返品が全体平均を大きく上回り、530% 超の増加
  • 検索エンジン経由で流入したユーザーからの返品が 500% 増加し、今回の急増の大きな要因

 

「返品率が上がった」という通知だけでは、要因を特定するためにアナリストが一からデータを掘り下げる必要がありました。主要因分析機能を有効化しておけば、Gemini による分析結果とともに通知されるため、調査の手間やハードルを下げられます。さらに、「Investigate」ボタンを押下すると Looker の会話分析に遷移するため、スムーズに調査を進められます。

 

まとめ

本記事では、Looker の Agentic Workflows を使用し、ダッシュボードから自然言語で指標の監視を設定する手順をご紹介しました。

従来のアラートでは「指標の変化」しか通知できませんでしたが、Agentic Workflows で主要因分析を有効化すれば、Gemini による分析結果まで同時に通知できます。

日々のデータ監視でお困りの方は、ぜひ Agentic Workflows による自動化を検討してみてください。

 

参考資料

 


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