2025年11月27日

Nano Banana Proでパワポ作成を効率化!Google Cloud最新画像生成の実力検証


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本記事は、日々の業務でプレゼン資料作成に追われているマーケティング担当者や企画職の皆様に向けて、Google Cloudの最新画像生成モデル Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image) が資料作成業務の効率化に寄与できるか確認していきます。

ビジネスパーソンにとって、わかりやすいスライド資料の作成は永遠の課題です。
構成や執筆はもちろんですが、意外と時間を奪われているのが「適切な画像や図解を探すこと」ではないでしょうか。

「イメージ通りの写真がない」「資料の構図が思いつかない」といった悩みをNano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)が解決できるかもしれません。

今回は、この最新モデルを使って、「架空の紅茶ブランド『sts Tea』の海外展開戦略資料」を実際に作成し、スライド作成業務をどこまで効率化できるかを検証してみます。

Nano Banana Pro でスライドを作るメリットとは?

これまでの画像生成AIは、アート作品やイメージイラストを作るには優秀でしたが、ビジネスの現場、特にプレゼン資料作成においては活用に踏み切れないケースが多くありました。
その最大の壁が、「画像内の文字が謎の言語に化けてしまう」という点です。

今回使用する Nano Banana Pro は、以下の特徴的な機能を持ち、スライド作成の実用レベルを一気に引き上げられる可能性があります。

  • 「謎の文字化け」からの解放
    従来モデルでは崩れがちだったアルファベットや数字を、正確に描画できます。
    商品名やキャッチコピーを指定すれば、そのままスライドの表紙や見出しとして使える品質で出力されます。
  • 「事実」に基づいたグラフ作成
    Google検索の膨大なインデックスと連携することで、AI特有の情報の誤り(ハルシネーション)を抑制。
    ネット上の事実情報やトレンドに基づいたインフォグラフィックや図解を生成できます。

それでは、Nano Banana Pro を使って実際にスライドを作ってみましょう。

実践:新商品「sts Tea」のプレゼン資料を作ってみる

今回の検証のために、以下のような架空のビジネスシナリオを設定しました。

シナリオ設定:
あなたは架空の高級紅茶ブランド「sts Tea」のマーケティング担当者です。
来月の取締役会で報告する「海外展開戦略」のプレゼン資料を作成することになりました。
ブランドの高級感を損なわず、かつ市場の事実に基づいた説得力のある資料を短時間で用意する必要があります。

今回は、Nano Banana Proの以下の3つの機能を検証しながら、スライド素材を作成していきます。

  • テキスト描画
    インパクトのあるタイトルスライド作成
  • 検索/推論に基づく生成
    事実に基づいた市場データの図解化
  • 画像内翻訳
    海外支社向けにスライドを翻訳

ステップ1:インパクトのあるタイトルイメージを作る

まずはタイトルスライドを作成してみます。
これまでの生成AIでは、指定した文字が崩れてしまったり(例:”sts Tea”が”sls Tee”になる)、謎の言語が生成されたりすることが課題でした。
Nano Banana Proによって強化されたテキスト描写能力が、この課題をクリアできるか見てみます。

今回は単に文字を置くだけでなく、ブランドの世界観を表現するために「茶葉とフルーツでできた文字」という高度な表現に挑戦してみます。

今回のタイトルスライド生成のためのプロンプトは以下です。

プロンプト:
紅茶の茶葉と新鮮なフルーツで構成された文字で “sts Tea Global Launch” と書かれた、高品質な広告用画像を作成して。背景は高級感のある大理石のテーブルで、朝の光が差し込んでいる。

ちなみにNano Banana Proは出力時にアスペクト比を指定することができます。今回はスライド想定なので16:9で指定してみます。

生成された画像は以下です。

いかがでしょうか。プロンプトの指示通り生成された印象で肝心の文字についても問題なく出力されているように見受けられます。
これによって、これまではフリー素材やイラスト生成などに依頼していた部分が、シンプルなプロンプトひとつで生成できました。
指定したアスペクト比(16:9)で出力されるため、トリミングの手間なくそのままスライドに貼り付けられます。

ステップ2:事実に基づいた「市場データ」を生成する

次に、戦略の根拠となる「市場トレンド」のスライド素材を作成します。
通常、AIにグラフを描かせると、もっともらしいが根拠のないデータ(ハルシネーション)を生成してしまうリスクがありました。

今回は紅茶の世界市場をGoogle検索を使ってファクトチェックしつつ、市場データとしてスライドの構図が作成できるかを確認してみます。
※表示されている数値は近似値を適当に入力した架空の値です。

実際はある程度、インターネット検索で具体的な数値を含めて画像を生成させることはできますが、今回は自社ですでに認識しているデータの根拠づけの補強として活用します。

プロンプト:
「世界の紅茶市場予測」に関する役員向け資料としてプロフェッショナルなパワーポイントのスライドを作成して。

主要データ:
2024年に市場規模が「150億ドル」に達し、「年平均成長率(CAGR)5.5%」で成長することを可視化して。

視覚的要因:
検索結果に基づく主な成長要因を図解して:「健康志向(抗炎症作用)」「プレミアム&オーガニック(職人の手によるお茶)」「RTDの利便性(ボトル入り茶)」。

スタイル:
清潔感のあるビジネススタイル、白背景にハーブグリーンのアクセント。

生成結果

いかがでしょうか。2024年時のデータの市場規模150億ドルやCAGR 5.5%といった具体的な数字をもとに、2030年約207億ドル(計算値)をデザインの一部として正確に組み込める点がこのモデルの真骨頂です。

自分で数値を打ち込んでグラフを作る手間が省けるだけでなく、事実ベースの数字とイメージが矛盾しない資料を一瞬で作成できます。
出力の内容全体としてもよくあるスライドの構図にはなっており、スライドの情報量が多く気に入らなくても、追加指示で修正してもらうか、資料の構図としてそのまま部分的に活用もできそうです。

ステップ3:海外チーム用に「翻訳」する

最後にステップ2で作成したものをグローバルチーム向けに英語に翻訳してみます。

プロンプト:
このスライドをグローバルチームへ連携するために英語に翻訳して。フォントや構図は維持すること。

生成結果

シンプルなスライドで構図を変えることなく英語に変換することができていそうです。
昨今グローバル展開する企業様が多く、日本向けの内容を英語向けに書き換える作業に時間を取られているという話はよく聞きますが、Nano Banana Proによってだいぶ作業の効率化が図れそうです。

まとめ・考察

今回、Nano Banana Proを使ってスライド作成プロセスを検証した結果、以下のメリットが確認できました。

  • スライドの中身を作る時間が劇的に短縮される
    PowerPointファイルそのものが生成されるわけではありませんが、最も時間がかかる「適切な画像・確かな図解/スライドの構図」の準備が瞬時に完了します。
  • デザイナーがいなくても高品質なアウトプットが可能
    「茶葉でできた文字」のような高度な表現も、テキストの指示だけで作成できます。
  • ブランドイメージに合った素材を一貫して作成できる
    一度決めたトーン&マナー(今回は「高級感」「朝の光」)をプロンプトで維持し続けることで、資料全体に統一感が生まれます。

Nano Banana Proは、スライド作成における強力なアシスタントとなるでしょう。
今回はスライドの例でしたが、ECサイトにのせるバナーの生成やチラシなど、様々な場面でも活用できると思います。
ぜひ皆様の業務でも試してみてください。

2025年11月27日 Nano Banana Proでパワポ作成を効率化!Google Cloud最新画像生成の実力検証

Category Google Cloud

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