2025年8月14日

ECアパレル担当者向け Imagen 画像生成プロンプト作成の基本


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商品詳細ページやSNS投稿用の画像を作成する際、商品の写真だけでなく、モデルが実際に着用している姿を見せることで、お客様により具体的な着用イメージを持ってもらいやすくなります。
しかし、すべての商品についてモデル撮影を行うには、時間も予算もかかり、現実的には難しい場合が多いでしょう。
その結果、多くの商品ページでは商品単体の画像のみが掲載されているのが現状です。
また企画時における商品イメージの生成、撮影した画像の編集など、ECの運営において画像生成や編集に関するニーズはたくさんあるのではと推察しております。

そこで注目したいのが、Google CloudのImagenやGeminiといった、画像を生成できるAIです。
これらを活用すれば、既存の画像からでもブランドの世界観に沿った着用イメージを生成し、より訴求力の高いビジュアルを作ることが可能です。

本記事では、その第一歩としてImagenを使って「狙い通りの画像」を作るためのプロンプト(指示文)の書き方 を解説します。

1. Imagenとは

Imagenは、Googleが開発したテキストから画像を生成するAIモデルです。
最大の特徴は、入力されたテキスト(プロンプト)を驚くほど正確に理解し、高品質かつ写実的な画像を生成できる点にあります。

Imagenでできること

  • テキスト プロンプトから新しい画像を生成(テキスト→画像のAI生成)。
  • アップロードまたは生成した画像全体を編集(要素の追加・削除)。
  • 既存・生成・編集済み画像のアップスケール(解像度向上)。
  • 特定の対象(例:特定のハンドバッグや靴)でAIモデルを追加学習させ、画像生成。

今回は商品の構図をImagenに考えさせるユースケースとして、
Google公式のプロンプトガイドに沿い、
狙い通りの構図を作るためのプロンプトをご紹介します。

2. なぜ「良いプロンプト」が重要か?

プロンプト作成の基本要素

Imagenで狙い通りの画像を生成するには、「誰が」「何を」「どこで」「どんなスタイルで」を明確に指定することが重要です。
これらの要素を意識してプロンプトを作成することで、ブランドの世界観に沿った高品質な画像が得やすくなります。

要素 説明 プロンプト例
主題 (Who / What) 誰が、何を身につけているか。画像の主役を具体的に定義します。 a woman in her 30s(30代の女性)、a classic trench coat(クラシックなトレンチコート)
文脈 (Where / When) どこで、どんな状況か。世界観や着用シーンを想像させます。 on a stylish street in Paris at dusk(夕暮れのパリのおしゃれな通り)、in a cozy cafe(居心地の良いカフェで)
スタイル (How) どんな雰囲気で撮影するか。写真のトーン&マナーを決定します。 fashion photograph(ファッション写真)、natural light(自然光)、shot with a 50mm lens(50mmレンズで撮影)

これらの要素を組み合わせてプロンプトを入力すると、Imagenはより意図に沿った画像を生成しやすくなります。

3.プロンプトによる生成画像の変化

前項でまとめた①主題②文脈③スタイルによって、生成される画像がどのように変化するかを見ていきましょう。今回は「ヨーロッパの町並みで黒いワンピースを着た女性」というテーマでImagenを使って生成します。

① 主題

まずは、誰が何を着ているかという最も基本的な情報を伝えます。

プロンプト:
シンプルな黒いワンピースを着た女性の写真。

黒いワンピースを着た女性

シンプルな背景で、黒いワンピースを着た女性が生成されました。次に「文脈」を加えて、画像に物語を与えていきましょう。

② 文脈

今度はシチュエーションを加えてみます。今回はヨーロッパの町並みを表現します。

プロンプト:
シンプルな黒いワンピースを着た女性が、夕暮れのヨーロッパの、おしゃれな石畳の通りに立っている写真。

夕暮れのヨーロッパの街並みに立つ女性

背景が一気にヨーロッパを連想させる街並みに変わりました。

③ スタイル

最後に、カメラワークや照明の指示を加えて、写真全体の雰囲気をコントロールします。

プロンプト:
ストリートスタイルのファッション写真。夕暮れのヨーロッパの、おしゃれな石畳の通りに立つ、シンプルな黒いワンピースを着た女性。
照明は柔らかくロマンチックで、街灯が背景に美しいボケ効果を生み出している。50mmレンズで撮影。

ロマンチックな照明で撮影された女性

指示した通り、写真にボケが加わり、より女性とワンピースに視線が集まる構図になりました。

まとめ

今回は基本編ということで、Imagenに指示を与えて画像を生成していく際のポイントをまとめました。
ポイントは以下の3つです。

  1. 基本の3要素(主題・文脈・スタイル)を組み合わせる
    主役・シーン・雰囲気を明確にすることで、意図通りの画像を得やすくなります。
  2. 曖昧な言葉を避け、具体的で描写的な言葉を選ぶ
    「おしゃれ」「かっこいい」などの抽象的な表現だけでなく、色味・質感・光の状態などを明確に指定しましょう。
  3. 一度で完璧を目指さず、少しずつ要素を足して試行錯誤を楽しむ
    短いプロンプトで方向性を確認しつつ、必要に応じて要素を追加して精度を高めると効率的です。

実用面では、商品のみの画像をモデルに着せる撮影した画像を編集するといった活用場面が多いでしょう。
これらの方法や具体的な活用事例については、別の記事で詳しくご紹介します。

2025年8月14日 ECアパレル担当者向け Imagen 画像生成プロンプト作成の基本

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