2025年8月27日 【アパレルEC担当者向け】商品のモデル着用画像を生成するAI Virtual Try-On Google Cloud Vertex AI 検索する Popular tags 生成AI(Generative AI) Vertex AI Search Looker Studio BigQuery AlloyDB Google Workspace 事例紹介 Cloud SQL Category Google Cloud Author rr SHARE 目次 Virtual Try-Onが創出する新しい顧客体験と価値 Virtual Try-On機能の利用について 推奨される商品画像の状態について 発展編:試着画像を「動画」にして、さらなる顧客体験の向上へ まとめ Content オンラインで洋服を買うとき、多くのお客様が「この服、自分に似合うかな?」「サイズ感は大丈夫?」といった不安を感じています。ECサイトにおいてこの"試着できない"という大きな課題が、購入のハードルを上げ、返品率を高める原因になっているのではないでしょうか。 そんなお悩みを解決するのが、Googleの生成AIを活用した「Virtual Try-On(バーチャル試着)」機能です。 この記事では、アパレルECサイトの担当者様向けに、バーチャル試着機能がもたらすビジネス価値と、その効果を最大限に引き出すためのポイントを、具体的な例を交えて分かりやすく解説します。この記事を読めば、顧客満足度と売上を同時に向上させるヒントが見つかるはずです。 Virtual Try-Onが創出する新しい顧客体験と価値 Virtual Try-On は、オンラインでも実店舗の試着室のようなリアルな購入体験を提供します。 これまで性別や年齢の異なるモデルで商品撮影を行うには、多くの時間とコストが必要でした。 本機能では、EC担当者が用意した1枚の商品画像からAIが多様なモデルの着用イメージを自動生成できます。 これにより、まるで何通りものモデル撮影を行ったかのように、豊富な着用イメージをお客様に届けられます。 Googleの生成AIはシワ・影・素材の伸びまで忠実に再現し、 高品質な画像を生成します。 さらに、お客様自身の写真をアップロードすれば、自分の体型での試着が可能になり、 オンライン上に「自分だけの試着室」が生まれ、これまでにない購入体験を実現します。 ビジネス課題の解決 購入率の向上: 着用イメージが具体化し、購入の確信を後押し。これまで挑戦しづらかったアイテムの 購入ハードルを低減します。 返品率の削減: 「イメージと違う」というミスマッチを事前に解消。返品処理のコストや手間も軽減します。 エンゲージメントとブランド価値の向上: 新しく楽しい体験が満足度とSNSでの共有を促進。 先進技術の導入はブランド価値の向上にもつながります。 Virtual Try-On機能の利用について 早速 Virtual Try-On を使ってみましょう 用意するのは、モデルの画像と商品画像の2点だけです。 モデル画像 商品画像 まず参考までに、仮想試着に特化していない Google の画像生成AI Gemini を使い、 モデルと商品を入力して着用イメージを生成してみましょう。 プロンプト: ブルゾンの商品画像をモデルに着せた画像を生成してください Gemini生成結果 プロンプトがシンプルすぎることもあり、モデルの手が消える/ファスナーが不自然に空く/ パンツの色が変更される、といった違和感が見られます。 ※プロンプトを具体化する・複数回実行することで品質は改善する可能性がありますが、 その分作成コストが増えることが考えられます。 Virtual Try-On 生成結果 手はポケットに入っているものの、Geminiで生成した画像と比べてより自然で実用的な着用イメージ に仕上がっているように見受けられます。 推奨される商品画像の状態について Virtual Try-On の精度を高めるポイント Virtual Try-On で生成される着用イメージは、インプットする画像の品質に大きく影響を受けます。 筆者の検証では、下記のような条件で入力すると精度が向上しやすい印象がありました。 ポイント 画像の種別 違和感の少ない例 (OK例) 品質の落ちやすい例 (NG例) ポーズ モデル画像 モデルが正面を向き、腕を自然に下ろしたシンプルなポーズ 腕を組んでいたり、手で服の一部が隠れている 全体像 商品画像 商品の全体がはっきりと写っている トップスの裾がボトムスにインしている、袖をまくっている 背景 両方 商品や人物が引き立つ、無地で均一な背景 背景がごちゃごちゃしていて輪郭が分かりにくい 置き方 商品画像 (平置きの場合)シワや折り目がなく、形が整っている シワが多く、服の正確な形が分からない その他 商品画像 パーカーのフードは下ろし、ファスナーは閉める アクセサリーやバッグで服のディテールが隠れている これらのポイントを意識することで、Virtual Try-On の生成結果はより自然で違和感の少ないものになり、 ユーザーが安心して購入を検討できる環境を提供しやすくなります。 発展編:試着画像を「動画」にして、さらなる顧客体験の向上へ 静止画から“動く試着”へ(VEO連携) ここまで Virtual Try-On でモデルに指定の商品を着せてきました。今回作成した商品の着用イメージ画像だけでも十分に強力ですが、もう一歩先の体験を提供できるとしたらどうでしょうか。 例えば、こちらの記事で記載しているように、VEO で商品の画像をインプットして動画化すると、「自分自身が、選んだ服を着て動く」という、より具体的な着用イメージを生成できます。 これにより、お客様は EC サイト上で、「気になる服を試着し、それが実際に動いた時の生地の揺れ感やシルエットの変化までを、自分自身の姿で確認できる」 という究極のパーソナライズ体験が可能になります。静止画では伝えきれない商品の魅力を、より直感的に訴求できるのです。 このように複数の生成 AI モデルを連携させた高度なソリューション開発は、まさに私たち STS の得意分野です。お客様のビジネスを加速させるユニークな顧客体験の構築を、ぜひご支援させてください。 まとめ AIによるバーチャル試着は、もはや未来の技術ではありません。お客様の不安を解消し、オンラインショッピングの体験を根底から変える力を持っています。 この機能を活用することで、購入率の向上と返品率の削減を実現し、お客様との新たな関係を築くことが期待できます。まずは、お手持ちの商品画像で試すことから始めてみてはいかがでしょうか。 関連コンテンツ はじめての動画生成AIモデル Veo ~アパレルEC担当者が知っておきたい「画像から動画を作る」プロンプトの基本~ by rron 2025年8月4日 はじめての動画生成AIモデル Veo ~アパレルEC担当者が知っておきたい運用面でより使いやすい商品動画の作り方~ by rron 2025年8月15日 頂きましたご意見につきましては、今後のより良い商品開発・サービス改善に活かしていきたいと考えております。 よく分かった 興味がある 面白かった よく分からない もっと知りたい Author rr Google Cloudの生成AIを活用した案件に参画 趣味は旅行で47都道府県制覇済み Google Cloud Vertex AI 2025年8月27日 【アパレルEC担当者向け】商品のモデル着用画像を生成するAI Virtual Try-On Category Google Cloud 前の記事を読む Agent EngineをREST APIとして使えるようにしてみた! 次の記事を読む 【BigQuery】AI.GENERATE_TABLE 関数を使用して、画像から構造化データを生成してみた Recommendation オススメ記事 2023年9月5日 Google Cloud 【Google Cloud】Looker Studio × Looker Studio Pro × Looker を徹底比較!機能・選び方を解説 2023年8月24日 Google Cloud 【Google Cloud】Migrate for Anthos and GKEでVMを移行してみた(1:概要編) 2022年10月10日 Google Cloud 【Google Cloud】AlloyDB と Cloud SQL を徹底比較してみた!!(第1回:AlloyDB の概要、性能検証編) BigQuery ML ワークショップ開催のお知らせ 生成AI導入支援パッケージ Discovery AI導入支援パッケージ Google Cloud ホワイトペーパー 新着記事 2025年10月29日 Google Cloud BigQueryとCloud SQLを横断検索!MCP ToolboxとADKで作るハイブリッドデータ検索エージェント 2025年10月29日 モバイル 【iOS】大規模フルスタック個人アプリ、4度のリジェクトを超えてリリースした話 2025年10月29日 Google Cloud ノーコード AI ミニアプリケーション構築ツール Opal を試す HOME Google Cloud 【アパレルEC担当者向け】商品のモデル着用画像を生成するAI Virtual Try-On