2025年6月2日

必読!Vertex AI Search for Commerce データ利用規約のポイントまとめ | VAIS:C


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「なんでお客さんが欲しい商品にたどり着けないんだろう?」「このレコメンド、全然クリックされない…」

こうしたECサイトでよくある課題を解決してくれるのがVertex AI Search for Commerce(VAIS:C)です。

普通なら検索エンジンやレコメンド機能を一から作るのは大変です。エンジニアが何人も必要で、時間もお金もかかる。でもVAIS:Cは違います。Googleの技術をSaaS感覚で導入できちゃいます。

商品データとお客さんの行動データを流し込めば、後は機械学習で最適化してくれます。

とはいえ、一番気になるのは「Googleにデータ渡して本当に大丈夫?」ってところですよね。この記事では、VAIS:Cの概要と、心配になるデータの扱いについて説明します。「結局、データってどう使われるの?」「広告に使われちゃうの?」といった疑問に、規約を見ながらお答えします。

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Vertex AI Search for Commerce(VAIS:C)とは

Google Cloud が提供する Vertex AI Search for Commerce は、検索・レコメンドをまとめて SaaS 形式で利用できる小売/EC 向けソリューションです。

商品カタログとユーザ行動(閲覧・クリック・購入等)を取り込み、Google の機械学習で検索結果やレコメンドを最適化します。検索ではクエリ理解・動的ファセット生成・パーソナライズなど、レコメンドでは「よく一緒に購入される商品」「あなたへのおすすめ」などのモデルを比較的かんたんに扱えます。

参照:Features and capabilities of Vertex AI Search for commerce |  Google Cloud

Vertex AI Search for Commerce(VAIS:C)を選ぶ理由

  • 検索体験の改善 – Google 検索と同系統のクエリ理解で、長い・曖昧・専門的な検索語でも的確な商品を提示。
  • リアルタイム・パーソナライズ – ユーザ行動イベントを秒単位で取り込み、直近の閲覧・購入を即座にレコメンドへ反映。
  • 継続的なモデル最適化 – データ投入後は自動再学習・指標最適化(CVR、CTR、収益最大化など)を毎日実施。
  • マルチチャネル展開 – Web/アプリ/メール/店頭キオスクを単一 API で横断。

ユーザー企業が気にする “データ利用規約” の勘所

Vertex AI Search for Commerce を有効化すると「Vertex AI Search for Industry Terms for Data Use」(以下、データ利用規約)に同意する必要があります。よくある懸念点を中心に、要点を整理します。

質問 回答
Google にデータを勝手に学習されない? 品質保証等のためのサンプリング限定 (規約 2.a)。第三者モデルの学習素材には使われない。
広告目的に流用される? 規約で明確に禁止されている (規約 2.a)。VAIS:C のモデル改善目的のみに利用される。
データを削除したらどうなる? Google Cloudプロジェクト側での削除=Google への利用指示撤回を指す (規約 2.d)。PoC など別途 Google との協議で合意した分は別途 retention policy に従い削除される (規約 2.e)。
GA4 のイベントを流しても問題ない? サービス提供目的でのみ処理されるため、社内ポリシーとの不整合がなければ問題なし (規約 2.a 参照)。
Pre-GA 機能で個人データを扱える? Cloud DPA 適用外なので避けるのが無難 (規約 4.e)。GA 対応後に再投入を検討してください。

1. Google によるデータの利用目的

規約 2.a に記載のとおり、Google がユーザーの対象データ(商品・ユーザイベント・API 出力)へアクセスできるのは次の目的に限られます。

  1. 品質保証 ― 結果がコンテキストに合っているかサンプリングして確認
  2. 障害解析 ― 問題発生時の診断・パフォーマンス検証
  3. PoC 支援 ― ユーザー企業が依頼し Google が書面で承認した概念実証
  4. 技術改善 ― 上記 (1)〜(3) で得た「学習」を使い、検索/推薦アーキテクチャやインデックス技術を改良

ポイント: (4) では “学習で得た知見” のみを利用し、対象データそのものを他社モデルの学習に転用しない と明言されています。

2. 他社モデル・広告への転用は明確に 禁止

同条 (規約 2.a) は「対象データを使って、他顧客向けの AI/ML モデルを学習・微調整しない」と二重で宣言しています。Google Ads や他サービスへの横流しは契約上不可能です。

3. データ削除と “同意撤回” の手続き

  • プロジェクトから対象データを削除すれば、Google に対する処理指示は取り消し可能。(規約 2.d)
  • PoC などで保持期間が延びる場合は、Google からデータ保持ポリシーが提示されます(30 日前通告で双方いつでも終了可)。(規約 2.e)

4. Pre-GA 機能利用時の注意

Vertex AI Search for Commerce の一部機能は “Pre-GA Offering” として提供されることがあります。Pre-GA 期間中は Cloud DPAが適用されず、個人データや規制対象データの投入は非推奨 なので留意してください。

5. GA 機能なら GA4/GTM からのデータ連携も安心

Google Analytics(GA4)や Tag Manager で収集した Cookie ベースのイベントを VAIS:C に流し込んでも、上記規約の枠内でのみ処理され、広告システムとの自動共有は発生しません。

まとめ

  • VAIS:C は検索+レコメンドを統合し、Google 品質の体験を自社 EC に簡単導入できる。
  • データ利用は品質保証・障害解析・PoC・技術改善の 4 目的に限定され、広告や他社モデル学習には用いられない (規約 2.a)。
  • プロジェクト側でデータを削除すれば Google 側の処理も停止 (規約 2.d)。Pre-GA 機能の扱いだけは要確認 (規約 4.e)。

これらを押さえれば、「Google にデータを取られるのでは?」という懸念は解消できます。ぜひ Vertex AI Search を活用して、ECの検索・レコメンドを次のレベルへ引き上げてください!

最後に

システムサポートでは、VAIS:C やその他クラウドサービスの導入支援を行っています。「興味がある」「導入を検討している」「導入を進めている」のいずれでも、お手伝いできることがあるかもしれません。まずはお気軽にお問い合わせください!

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参考資料

2025年6月2日 必読!Vertex AI Search for Commerce データ利用規約のポイントまとめ | VAIS:C

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