2025年12月19日

Google Workspace Studioを使って毎日AIに最新ニュースを要約させてGoogle Chatで報告させてみた。


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本記事は、日々の業務の中で情報整理や共有に追われがちなビジネスパーソンや企画職の方に向けて、Google Workspaceの最新AI活用基盤である Google Workspace Studio が、実際の業務でどのように役立つのかを具体例を交えてご紹介します。

Google Workspaceは、メールやチャット、ドキュメント管理など日常業務に欠かせないツールが揃っていますが、
「情報は集まっているのに、活かしきれていない」、「共有や整理が人に依存してしまっている」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

近年はニュースや社内外の情報更新スピードも加速しており、
「重要な情報を見逃してしまう」「チーム内で認識のズレが生まれる」
といった課題は、多くの組織で共通の悩みになっています。

こうした課題は、単に情報を“読む”だけでなく、
・要点をAIが整理・要約する
・必要な相手に、自動で共有される仕組みを作る
といった視点を取り入れることで、大きく改善できます。

本記事では、その一例として Google Workspace Studio を使った情報取得と要約の自動化 を取り上げながら、「WorkspaceをAIでどう拡張できるのか」「どこまで業務を任せられるのか」を、初めて触る方にも分かる形で解説していきます。

Google Workspace Studio とは?

Google Workspace Studio は、Google が提供する AIエージェント構築プラットフォームです。
プログラミング知識がなくても、Google Workspace の各種アプリ(Gmail、Drive、Sheets、Chat など)を連携し、AIによる業務自動化をノーコードで実現できます。

特徴:

自然言語でエージェント(AIワークフロー)を設計できる

Google ドライブと連携し、業務ルールに合わせた自動化を構築

Google Chat など既存のコミュニケーションチャネルへ通知や共有が可能

Gemini AI と統合され、要約・分析・判断までAIに任せるフローが作れる

このように、従来のルールベースの自動化ツールとは異なり、AIが文脈を理解して動く業務フローを直感的に作れることが最大の強みです。

Google Workspace Studio のライセンス・利用条件

Google Workspace Studio は、Google Workspace の契約エディションに含まれる形で提供されており、追加費用なしで利用できるケースが多いことが特徴です。
2025年に一般提供が始まり、現在は多くの Google Workspace エディションで標準機能として利用できるようになっています。

まず、Google Workspace 自体はビジネスや教育機関向けに複数のプランが用意されています。
代表的なエディションは以下のとおりです。参考リンク

  • Business エディション(Starter / Standard / Plus)
  • Enterprise エディション(Standard / Plus )
  • Education エディション(Fundamentals / Standard / Plus)

2025年12月現在、Google Workspace Studio は、Business / Enterprise / Education の各エディションで利用可能と案内されています。

Google Workspace Studioの魅力

では次にGoogle Workspace Studioの魅力についてご紹介します。

① ノーコードで AI 自動化を構築できる

これまで、AIを業務に組み込もうとすると、
プログラムを書いたり、専用のツールを導入したりと、一定の技術的ハードルがありました。

Google Workspace Studio では、そうした準備はほとんど必要ありません。
やりたい業務内容を自然言語でそのまま書くだけで、AIを使った自動化フローを作成できます。

たとえば、以下のような指示をそのまま入力できます。

指示例:
毎朝8:00に最新ニュースを取得し、
重要なポイントを3点に絞って要約してください。
その内容を Google Chat に投稿してください。

このように、「何をしたいか」を文章で書くだけで、
スケジュール実行・情報取得・要約・投稿までを含んだ業務フローを自動で組み立ててくれます。

専門的な設定画面やフロー定義に悩まされることなく、
非エンジニアでもAI活用を業務に組み込める点が大きな魅力です。


② 既存の Google Workspace に自然に溶け込む

Google Workspace Studio のもう一つの強みは、
すでに使っている Google Workspace の各ツールと、そのまま連携できる点にあります。

Google Drive、SpreadSheet、Google Chat など、
日常業務で使い慣れたツールを前提に設計できるため、
新しいツールを覚える負担がほとんどありません。

たとえば、以下のような連携が自然に行えます。

  • SpreadSheetの変更をきっかけに処理を開始する
  • Google Drive 内のファイルを読み取り、内容を分析・要約する
  • 結果を Google Chat に通知・共有する

これらはすべて、Workspaceの延長線上で完結します。
そのため、「別のツールを導入する」「運用を切り替える」といった心理的なハードルがありません。

AIを特別な存在として扱うのではなく、
普段の業務フローの中に自然に組み込めることが、Workspace Studioならではの価値と言えるでしょう。

Google Workspace Studio を使ってみる

ここからは、Google Workspace Studio を実際に操作しながら、
Google Cloud のリリースノートを毎日 Google Chat に要約投稿する仕組みを作る流れを紹介します。

ステップ1:Google Workspace Studio にアクセスする

まずは、以下のURLにアクセスします。

https://studio.workspace.google.com/

Google Workspace Studio トップ画面

Google Workspace のアカウントでログインすると、
中央に大きなテキストボックスが配置された、非常にシンプルな画面が表示されます。

この中央のテキストボックスが、AIエージェント作成の起点になります。

ステップ2:自然言語でやりたいことをそのまま指示する

Google Workspace Studio の最大の特徴は、
設計書を書くのではなく、「やりたいことを日本語でそのまま書ける」点にあります。

今回入力した指示の例は、以下のような内容です。

入力した指示(例)
毎日8時に https://docs.cloud.google.com/release-notes の内容を、
Google Chat に日本語で送信してください。

指示入力画面

このように、

  • どこから情報を取得するか
  • どこに結果を出力するか

を、自然言語でまとめて書くだけです。
細かな設定やフロー設計を意識する必要はありません。

ステップ3:AIが自動でエージェントの雛形を作成する

指示を入力すると、Google Workspace Studio が内容を解釈し、
次のような処理を含むエージェント構成を自動で生成してくれます。

  • 定期実行(スケジュール設定)
  • Gemini による Webページの取得・要約処理
  • Google Chat への投稿

エージェント構成画面

この段階で、

  • 「毎日実行する」という条件
  • 「要約して Google Chat に投稿する」という流れ

はすでに組み込まれています。
ゼロから自分で仕組みを組み立てる必要はありません。

要約の粒度や表現が気になる場合は、
追加で自然言語の指示を与えて、あとから微調整することも可能です。

今回は、より実運用を意識して、さらに詳細な指示を追加してみます。

プロンプト変更

赤枠の部分に指示文を入力します
追加した指示内容は以下のとおりです。
一番新しい公開日のものを取得させたりフォーマットを指定したりしています。


プロンプト

You are an analyst responsible for monitoring Google Cloud updates.

Task:
From the Google Cloud Release Notes
(https://docs.cloud.google.com/release-notes),
identify ONLY the most recent updates as of now,
and summarize them in JAPANESE.

Critical requirements (MUST FOLLOW):
– Track ONLY the latest updates with the closest publication date to the current time
– Do NOT include older updates under any circumstances
– Ensure that running this task daily or every other day does NOT produce duplicate results
– Delegate the judgment of “what is the latest” entirely to you (the AI)

Output format:
– **[リリースタイトル]**
概要:事実のみの要約
[YYYY-MM-DD] – link

この内容で実行すると、どのような結果が表示されるかを確認してみましょう。
Test Runで試しに実行してみます。

実行結果画面

ステップ4:Google Chat への出力を確認する

設定が完了すると、指定した Google Chat のスペースに、
要約されたリリースノートが自動で投稿されるようになります。

Google Chat への投稿結果

これによって、

  • 朝出社すると、Chat に最新アップデートが流れている
  • 自分でリリースノートを見に行く必要がない
  • チーム全員が同じ要点を同じタイミングで把握できる

といった状態を作ることができます。

重要なのは、「要約を作ること」そのものではなく、
誰もが簡単に 「情報が自然に共有される仕組みを作れること」 です。

まとめ・考察

まとめ

今回の記事では、Google Workspace Studio の魅力を、
「最新ニュースの自動取得・要約」という具体的なユースケースを通じてご紹介しました。

今回の内容を通して見えてきたポイントは、以下のとおりです。

  • AIを単なる補助ツールとして使うのではなく、
    業務プロセスそのものの一部として組み込める
  • Google Workspace の既存環境に、
    無理なく・自然に統合できる

今回取り上げた「ニュースの自動収集・要約」は、あくまで一例にすぎません。

実際の業務では、

  • 社内レポートの自動生成
  • 会議議事録の要約・共有
  • ドキュメントの定期レビュー
  • 条件に応じた通知や情報共有の自動化

といったように、実ビジネスのさまざまな場面へ応用することが可能です。

Google Workspace Studio は、
AI時代における「仕事の進め方そのもの」を見直し、再設計するための基盤と言えるでしょう。

ぜひ一度、ご自身の業務に置き換えながら、
Google Workspace Studio を試してみてください。

2025年12月19日 Google Workspace Studioを使って毎日AIに最新ニュースを要約させてGoogle Chatで報告させてみた。

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