2025年8月15日

はじめての動画生成AIモデル Veo ~アパレルEC担当者が知っておきたい運用面でより使いやすい商品動画の作り方~


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こちらの記事はアパレル業界のECご担当者様向けにGoogle Cloud動画生成AIVEOによる商品動画の作り方について説明する第2弾の記事です。
前回の記事では、狙い通りの動画を生成するためのプロンプトの書き方を紹介しています。ぜひ、そちらもあわせてご覧ください。

さて今回は実際にGoogle Cloudの画面からVEOを使って商品詳細ページに載せる動画を作ってみましょう。
その時に考慮すべきおすすめのオプションや機能についてもご紹介していきます。

Google Cloud上のVEOの利用画面について

早速、Google Cloud上でVEOを利用する画面へアクセスしてみましょう。
※この記事で紹介するGoogle Cloudの画面は 2025年8月5日時点 のものです。

  1. Google Cloudの環境に入り、中央の検索ボックスから「Media Studio」と入力し、アクセスしてください。

    Google Cloud 検索ボックスからMedia Studioを検索
    Google Cloudの検索ボックスで「Media Studio」を検索
  2. Media Studioでは、今回ご紹介するVEOだけでなく、画像生成AIのImagenや音楽生成AILyriaなども利用できます。

    Media StudioからVEOを選択
    Media Studioから「VEO」を選択
  3. VEOを選択すると、以下のような画面が表示されます。

    VEOの利用画面
    VEOの利用画面

今回はこの画面を使って、前回の記事で課題になった動画の終わり方をより自然に仕上げる方法をご紹介します。

VEOで使える便利なオプションについて

実際に動画を生成する前に、今回利用するVEOの2つのオプションについてご紹介します。

  1. Enable prompt enhancement

    この機能は、ユーザーが入力したプロンプトに対して、生成AI側が自動的にプロンプトを書き換え、意図をより反映した高品質な動画の生成をサポートしてくれます。
    画面上の注意書きにもある通り、この機能を無効にすると動画の質が低下する可能性がありますので、基本的には有効にしておきましょう。

  2. Ending frame

    動画の開始時のフレーム画像終了時のフレーム画像を指定できる機能です。
    VEOでは高機能な動画生成が可能ですが、場合によっては動画の終わり方が意図と異なったり、モデルの顔が微妙に変わることがあります。
    その場合、あらかじめ終わり方を指定することで制御性の高い動画を作ることができます。

    同じモデルの異なるパターン画像をつなげることで、より自然で一貫性のある動画に仕上げられます。

今回はこれらの機能を活用し、動画の始まりと終わりを明確に指定した動画生成に挑戦してみましょう。

VEOによる動画生成

まずはインプット画像(動画の始まり)とアウトプット画像(動画の終わり)を準備します。

  1. VEO画面中央のボタンをクリックし、動画の始まりを指定する画像をアップロードします。

    動画の始まりを指定する画像アップロード画面
    動画の始まりを指定する画像をアップロード
  2. 次にAdd ending frameを押し、動画の終わりのフレーム画像を指定します。

    動画の終わりを指定する画像アップロード画面
    動画の終わりを指定する画像をアップロード
  3. 画像がアップロードされると、以下のように表示されます。

    アップロード後の画像プレビュー
    アップロード後の画像プレビュー

ここまでで始まりと終わりの画像指定が完了しました。
続いてモデルを動かしてみます。

今回は先ほどご紹介したEnable prompt enhancement機能を有効にした状態で、以下のような簡単な指示を与えます。

プロンプト:
モデルが前に踏み出して振り返る動画を生成して

生成結果:

指示通り、最初にアップロードした画像からエンドフレームで指定した最後の画像まで、スムーズな動きでコート全体を見せる動画が生成されました。
VEOでは動画の最後が意図しない形になることもありますが、この方法を使えば制御性が大幅に向上します。

なお、最大動画時間は(記事投稿時点では)8秒という制約があります。
あまり多くの動作や演出を詰め込みすぎると不自然さが増してしまうため、今後のアップデートで最大時間が延びることに期待しましょう。

最後に

今回、Google Cloud上でVEOを使った動画生成を実際に行ってみました。
この方法を活用して、ECサイトに掲載する商品動画が作成できれば幸いです。

ただし、すべての商品で「モデルが実際にその商品を着用した写真」があるとは限りません。
そのような場合は、商品画像画像生成AI「Imagen」を組み合わせて、モデルが商品を着用している画像を生成する方法があります。

この「Imagen」を使った着用イメージ生成の方法については、別の記事で詳しくご紹介する予定ですので、
ぜひそちらもあわせてご覧ください。

2025年8月15日 はじめての動画生成AIモデル Veo ~アパレルEC担当者が知っておきたい運用面でより使いやすい商品動画の作り方~

Category Google Cloud

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