2024年7月23日

【Google Cloud】第1回：GKE on VMwareを構築してみた～概要編～

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近年、オンプレミス環境でもコンテナ化アプリケーションの運用が活発化しているかと思います。従来のオンプレミス環境の安定性とセキュリティ、クラウドの柔軟性とスケーラビリティを融合したソリューションが求められています。

そんなニーズに応えるのが、GKE on VMwareです。GKE on VMwareは、オンプレミスのVMware vSphere環境上でGoogle Kubernetes Engine (GKE)クラスタを構築、管理、運用できるサービスです。

本記事シリーズでは、実際にGKE on VMwareを構築した経験をもとに、概要、アーキテクチャ、構築手順等を以下3つの記事に分けてご説明いたします。

GKE on VMwareの概要

GKE on VMware は、オンプレミスのVMware vSphere 環境上で Google Kubernetes Engine (GKE) クラスタを構築、管理、運用できるサービスです。また、GKE on VMware はGoogle Distributed Cloud Virtual(GDCV)ソリューションの一部に組み込まれたパッケージであり、さらにGDCVはGKE Enterpriseの一部という位置づけのサービスです。

特徴

1. オンプレミス環境の活用

・既存のVmware vSphere環境をそのまま活用し、コンテナ化アプリケーションを実行することが可能です。
・オンプレミス環境のセキュリティとガバナンスを維持したまま、コンテナ化アプリケーションのメリットを享受できます。

2. クラウドネイティブな運用

・GKE の機能をフル活用し、コンテナ化アプリケーションのデプロイ、スケーリング、管理を容易に行うことが可能です。
・最新の Kubernetes バージョンやセキュリティパッチを簡単に適用できます。

3. コスト削減

・オンプレミス環境の資産を活用することで、TCO を削減できます。
・クラウド環境での従量課金制による無駄なコストを削減できます。
・公式ドキュメントにより、セットアップ手順が確立されているため、学習コストや構築コストを削減できます。

4. ハイブリッドクラウド

・オンプレミス環境とクラウド環境をシームレスに統合し、統一的なアプリケーション管理を実現できます。

アーキテクチャ

コンポーネント名	説明
ユーザークラスタ	アプリケーションを実装するワークロードを実行する場所。ワークロードを実行するノードはワーカーノード(VM)と呼ばれる。また、ユーザークラスタには1つ以上のコントロールプレーンノードが必要となる。
管理クラスタ	GKE on VMware環境全体の管理を行うクラスタ。管理クラスタコントロールプレーンノードが必要となる。
管理ワークステーション	クラスタ作成者とデベロッパーがGKE on VMwareを管理するために必要なツールを含む個別のVM。ツールがインストール済みのため、gkectlでクラスタの作成や更新、kubectlでワークロードを実行のデプロイや管理といった管理タスクの操作が可能となる。
Cloud Console	GKE on VMwareなどのGoogle CloudプロジェクトのGUIが用意されている。管理ワークステーションでのコマンド操作の代替として、GKE on VMware管理タスクのサブセット(クラスタ作成、コンテナデプロイなど)をGoogle Cloudコンソールから操作が可能となる。
Control Plane VIP	クラスタ作成者とデベロッパー、管理クラスタとユーザークラスタのコントロールプレーンにアクセスために使用する仮想IPアドレス(VIP)。
Service VIPs,Ingress VIP	ユーザーが、ユーザークラスタ内のワークロードを呼び出す際に使用するVIP。