2025年10月29日

ノーコード AI ミニアプリケーション構築ツール Opal を試す


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AI を活用したアプリケーションを構築したいと考えているものの、「プログラミングの知識が必要で難しそう」「手間がかかりそう」と感じ、なかなか一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。Google から発表されたノーコード AI ミニアプリケーション構築ツール「Opal」(オパール) を使用すれば、そのような課題を解決できるかもしれません。

本記事では、2025年10月14日時点での検証をもとに、Opal を使用して AI ミニアプリケーションを構築する方法をご紹介します。この記事が、みなさんにとって AI アプリケーション構築の新しい一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
 

Opal とは

「Opal」(オパール) は、ノーコードで AI ミニアプリケーションを構築できるツールです。プログラミングの知識がなくても、自然言語での指示や直感的な UI 操作だけでミニアプリケーションを構築できます。構築したアプリケーションはすぐに実行・共有できるため、誰でも手軽に AI を活用したミニアプリケーション開発を行えるようになります。

ノーコード または ローコードで AI アプリケーションを構築するサービスには Dify や n8n、OpenAI の Agent Builder などがありますが、その中で Google が新たに発表したのが Opal です。Opal は 2025年7月24日に米国限定で提供開始され、同年 10月7日に日本を含む 15か国へ提供地域が拡大されました。

留意点として、現時点 (2025年10月14日) では、外部サイトや API との連携機能は提供されていない ので、今後のアップデートでの実現が期待されています。

 


 

AI ミニアプリケーションを構築する

Opal でミニアプリケーションを構築する方法には、新規で構築する方法既存のアプリケーションをコピーして構築する方法 (Remix) の 2 種類があります。今回は、ユーザーが入力した企業名をもとに、その企業の基本情報や業界動向などの情報を出力する AI ミニアプリケーションを新規で構築します。
 

1. Opal にアクセスします。ログインを求められた場合、任意の Google アカウントでログインします。

2. 画面上部にある Create New を押下します。

3. 画面下部の入力欄に構築したいアプリケーションの内容を入力して実行します。今回は、以下のプロンプトを使用します。

入力された企業名の以下の情報を HTML 形式で出力する AI アプリケーションを構築します。
処理内容やプロンプトなどすべて日本語で構築してください。

* 基本情報
* 主要事業内容
* 取り扱い製品・サービス
* 企業のビジョン
* 事業内容
* 業界動向

数秒でワークフローが自動的に構築されました。概ね想定どおりの処理内容になっていそうですが、一部日本語化されていない箇所があります。そこで「プロンプトなど日本語になっていない箇所を日本語に修正してください。」と入力し、修正をリクエストします。このように、自然言語で指示を出すだけで、AI が自動的にアプリケーション修正・改善してくれる AI 駆動開発が Opal の魅力です。

プロンプトで修正をリクエストしたり、画面右側の Step タブから直接修正を行ったりして、最終的に以下のようなミニアプリケーションを構築しました。

1. 企業名を入力: 企業名の入力を受け付けます。

2. Deep Research: 入力された企業名について関連情報を収集します。(Deep Research with Gemini 2.5 Flash を使用)

3. Markdown 生成: 収集した関連情報を分析し、Markdown 形式でレポートを生成します。(Gemini 2.5 Flash を使用)

4. HTML 作成: 生成されたレポートを HTML 形式で出力します。(Gemini 2.5 Flash を使用)

アプリケーションの保存先

使用している Google アカウントの Google Drive に「Opal」フォルダが自動的に作成され、その中にアプリケーションが保存されます。

アプリケーションを構築する際の Tips
  • アプリケーションタイトル、ディスクリプションを変更したい。
    ヘッダの「︙」アイコン > Edit name and description から変更できます。
  • テーマを変更したい。
    画面右側の Theme タブから変更可能です。Themes for your Opal app の Upload で任意の画像をアップロードするとアプリケーションのイメージを変更できます。また、イメージを変更すると自動的にイメージに紐づくテーマカラーになります。
  • Step で他 Step の処理結果を使用したい。
    Step 同士を接続する必要があります。接続すると自動的に処理結果が Step に追加されます。
  • アプリケーションの変更履歴を確認したい。
    ヘッダの「︙」アイコン > Show version history から確認できます。

 

動作確認

ミニアプリケーションが構築できたので、動作を確認します。ヘッダの Editor タブを App タブに切り替えるとアプリケーションが表示されます。

1. 画面中央部の Start を押下します。

2. 入力を待機する画面に遷移されるので、企業名を入力します。今回は、「株式会社システムサポート」と入力して実行します。

3. 処理が完了すると、以下のような画面が表示されます。

構築したワークフロー通り、入力した企業名についてのレポートが HTML 形式で出力されました。画面下部にある Download file を押下すると、生成された HTML ファイルをダウンロードすることができます。

Output Step に Save to Google ××× を選択した場合

使用している Google アカウントの Google Drive に、選択した形式でファイルが保存されます。選択できる形式は、Google Docs, Google Slides, Google Sheets です。

 

アプリケーションの共有

構築したミニアプリケーションは URL などを使用してすぐにチームメンバーや他のユーザーに展開し、利用・編集してもらうことが可能です。アプリケーションは以下の手順で共有できます。

1. ヘッダの Share app を押下します。

2. View Share Permissions を押下し、権限を設定します。前の画面の Publish your Opal を Private から Public に変更すると一般的なアクセスが「リンクを知っている全員」になります。
 

まとめ

本記事では、Google のノーコード AI ミニアプリケーション構築ツール Opal を使用して AI ミニアプリケーションを構築する方法をご紹介しました。Opal は、Google 環境で AI を活用したミニアプリケーションを構築するのに最適なツールです。一方で、現時点では外部サイトや API が利用できないという状態なので、今後のアップデートを楽しみにしています。
 

2025年10月29日 ノーコード AI ミニアプリケーション構築ツール Opal を試す

Category Google Cloud

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