2025年1月7日

【Google Cloud】第1回:Oracle Database@Google Cloudを利用してみよう~概要編~


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こんにちは。Google Cloud研究開発チームです。

今回の内容は、今年発表されたGoogle Cloudの新サービス

「Oracle Database@Google Cloud」

に関して、調査した結果をまとめていきます。

第二弾として実際に利用してみる計画も進行中な為、お楽しみに!!

概要

2024年9月9日にGoogle CloudOracleより、「Oracle Database@Google Cloud」というサービスが発表されました。

参考:オラクルとGoogle Cloud、Oracle Database@Google Cloudの一般提供を発表

 

今回のサービスの特徴は大きく分けて3つ

  • Google CloudのデータセンターにデプロイされたOracleデータベースに直接アクセスできる:
    • 従来のオンプレミス環境と同様に、Oracleデータベースを操作できます。
  • Googleの最先端AIサービスとの連携:
    • Vertex AIやGemini基盤モデルなどのGoogleのAIサービスとOracleデータを連携させることで、データ分析や機械学習をより高度に行うことができます。
  • 請求書の統合:
    • Google CloudとOracle Databaseのサービス請求書を1つに統合することで、管理業務を簡素化できます。

重要なポイント

現状は特定のリージョンでのみ利用できる

米国とヨーロッパの 4 つの Google Cloud リージョンで一般提供されています。(2024年12月現在)

  • U.S. East (Ashburn)
  • U.S. West (Salt Lake City)
  • U.K. South (London)
  • Germany Central (Frankfurt)

今後拡大予定とのことです。

参考:Accelerating cloud transformation with Google Cloud and Oracle

Google CloudのデータセンターでOracleデータベースをホストできる

Exadata Cloud Service や Oracle Autonomous Database などの OracleデータベースサービスをGoogle Cloudのデータセンターで直接シームレスにホストできます。

さらに、クラウド間のデータ転送料金なしで Oracle Cloud Infrastructure (OCI) と Google Cloud を相互接続できるほか、Oracle E-Business Suite などの Oracle アプリケーションを Google Cloud で実行するためのサポートも提供されます。

参考:Google Cloud とオラクルによるクラウド トランスフォーメーションの加速

Oracleのデータベースサービスを利用できる

Oracle Database@Google Cloud を利用することで、以下のサービスを利用できます。

  • Autonomous Database :
    • 自律型のクラウドデータベースで、パッチ適用、バックアップ、チューニングなどを自動化し、高可用性、セキュリティ、コスト効率を実現します。自動化により利用者の作業を大幅に削減することができます。
    • Exadata Databaseの技術をベースに開発されています。
  • Exadata Database Service:
    • 最先端のハードウェアとソフトウェアを組み合わせたサービスです。これにより、高速処理、スケーラビリティ、高可用性、セキュリティを実現します。
    • 大量のデータ処理や複雑な分析を高速に行うことができます。

選ぶ際の判断基準

  • ハイパフォーマンスかつ高可用性構成にしたい場合は、Exadata Database Service
  • 運用コストや管理負担を抑えたい場合は、Autonomous Database Service

※後述するコスト欄も参照ください。

OCIと同水準のデータベースを利用可能

OCIで現在サポートされているデータベース・バージョンは、すべてOracle Database@Google Cloudでも参照して使用可能です。
参考:Oracle Database@Google CloudのFAQ

請求を一本化可能

通常はGoogle CloudOracle2か所での支払いが発生しますが、Google Cloud MarketplaceからOracle Databaseサービスを購入すると、Oracle DatabaseサービスとGoogle Cloudサービスの請求を一本化できます。
参考:Oracle Database@Google Cloudのメリット

AI機能を活用できる

Google Vertex AIやOracle Database 23aiなどの機能を組み合わせることで、データ分析の精度と速度を向上させ、より深いインサイトを得ることができます。
参考:Oracle Database@Google Cloudの仕組み

 

コスト

「OCI と同等の機能と価格を備えた新しいサービスである Oracle Database@Google Cloud が利用可能になります。」と公式サイトにあるため、コストに関してOCIをベースとして計算が可能と思われます。

参考:Oracle and Google Cloud Announce a Groundbreaking Multicloud Partnership

 

データベースサービス別の購入方法

  • Oracle Exadata Database Service
    • プライベートオファーの購入でのみ利用可能。
  • Oracle Autonomous Database
    • プライベートオファーの購入
    • 従量課金制 (PAYG)

※プライベートオファーとは、Oracleの営業チームと契約の交渉をすること。

※従量課金制 (PAYG)の場合、Google Cloud Marketplaceで購入可能

オラクルデータベースを既存で利用している場合、Oracle Cloud Infrastructureの場合と同様に、Oracle Bring Your Own License(BYOL)の既存ライセンスを使用して、Oracle Database@Google Cloudを割安で利用できます。

参考:Oracle Database@Google CloudのFAQ

 

予測コスト

オラクル公式サイトにて、試算をしてみました。

Oracle Exadata Database Service

試算時の設定:

 

設定項目 設定値 詳細設定
インフラストラクチャタイプ Dedicated
システムタイプ Exadata Cloud Infrastructure X9M
データベースサーバー 2台 ※1
ストレージサーバー 3台 ※1
OCPU Exadata Database Service OCPUs (No BOYL) 4 OCPU/時間 (1 OCPUは2 vCPU)

※1 : X9Mを選択するとデフォルトで設定されます。(変更不可、ただし容量の追加は可能です。)

金額:

1ヶ月(24h x 31日):2,294,014

 

Oracle Autonomous Database

試算時の設定:

設定項目 設定値
Billing Model Single Database
デプロイメントタイプ Serverless
ワークロードタイプ Transaction Processing and Mixed
Bring Your Own License[BYOL] 利用しない
自動スケーリング 有効
Peak ECPUs 2 ECPUs
Database Storage 20GB
Backup Storage 60GB

金額:

1ヶ月(24h x 31日):78,080円

 

まとめ

• Google CloudのデータセンターにデプロイされたOracleデータベースに直接アクセスできます。

• OCIやオンプレミスのOracle Databaseと同等のフル機能を利用できます。

• 請求を1本化できるため支払いが複雑化するのを防げます。

2025年1月7日 【Google Cloud】第1回:Oracle Database@Google Cloudを利用してみよう~概要編~

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